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2018.09.24

買取店のフランチャイズ加盟店って、実際どうなの?

最近、特に郊外で同じような買取店の店舗を見かけることはありませんか?

こういった買取店のほとんどが、いわゆる「フランチャイズ加盟店」。

買い取りのFC化は、およそ10年くらい前から急速に発展してきました。比較的若い業界といえます。

発展の理由は定かではないですが、エコ活動や『断捨離®』が広まる中でモノを手離す人が増え、「リユース業界にマーケットがあるのでは?」と注目されたからではないかといわれています。

買取店には「直営店」と「フランチャイズ店」がありますが、一般ユーザーにとって大きな違いは「フランチャイズ店は、直営店より買取価格が安い」ということ。

といっても、フランチャイズ店のメリットもあるので、今回はその仕組みや評価について、検証していこうと思います。

1.FC加盟店にはどんな店があり、どんなシステムを取っている?

全国展開し、業界の中では「四大FC加盟店」といわれているのが、「大吉」「大黒屋」「おたからや」「かんてい局」。

「大黒屋」と「かんてい局」は、買い取りだけでなく質もやっています。

2018年2月現在、各社サイトで発表されている店舗数は、「おたからや」が350店舗以上、「大黒屋」は200店舗以上、「大吉」は269店舗、「かんてい局」は34店舗。

店は全国各地にありますが、4店舗とも「直営店が2割、FCが8割」という割合になっており、フランチャイズが圧倒的な割合を占めます。

FC加盟店のシステムはシンプルで、1店舗に対して決まったロイヤリティを払うというもの。
金額は親会社により異なりますが、毎月だいたい20万~50万円となっています。

この金額の差はフォロー体制によって違い、高いところだと、例えば1年間スペシャリストが常駐し、教育システムも整えているとか、万が一倒産してしまった場合、初期投資費を負担するなどのサポートが付いています。

中でも「大吉」では、契約期間内での継続率が94%で、業界1位の実績を誇ります。

逆にロイヤリティが安いところは、数日間研修して、あとは定期的に本部の社員が店に来たり、困った時はマニュアルを見て各自で対応するなど、サポートやフォローが万全とはいえません。

FC加盟店は通常2年契約。スマホの違約金のように、もし加盟を抜ける際には、1店舗で200万円前後を支払わなくてはなりません。
しかしつぶれた時は、この料金を払う必要はありません。

教育体制がしっかりしている親会社の場合、ロイヤリティは高いけれど、経営が継続できるというメリットがあります。

このようにいろいろな面で守られてはいるものの、店舗のデザインやPRの方法に関しては本部が決めるため、自由に経営したい人には向いていおらず、個性が出せないからと辞める人もあるようです。

とはいえ、買取店というのは資本とやる気さえあれば誰でもオーナーになれます。
逆に、向上心や自立心がないと、すぐにお店をつぶす結果となってしまいます。

2.フランチャイズ加盟店かどうかを見分ける、4つの方法とは?

買取店には「直営店」と「フランチャイズ店」がありますが、それを見分ける方法は次の4つです。

1.店舗数
2.サイトでの検索
3.従業員数
4.広告媒体

具体的に見ていきましょう。

1つ目の「数」は、感覚的なものですが、どこにでも店があると感じたら、フランチャイズ店の可能性が高いです。 

2つ目の「検索」については、検索をした時、まとめサイトや比較サイトに名前が載るような店は、フランチャイズ加盟店の可能性が高いです。

面白いのは、FC展開をしていない老舗買取店やブランド買取専門店が、まとめサイトや比較サイトにあまり上がってこないこと。
それは、大手はFC展開していないので店舗数が少ない、あるいは大都市にしかないため、不特定多数の人が見るweb上では検索されづらいからです。

また、サイト運営を自社でやっているため管理が行き届き、まとめサイトや比較サイトに載る可能性も低いというのも、理由のひとつです。

3つ目は「従業員の数」。
フランチャイズ店はロイヤリティがある分、経費を抑えるため、売り場面積に対して圧倒的に従業員が少ないのです。

店によっては経費節減のため、オーナーがほぼ店頭に出ている場合もあります。

4つ目の「広告媒体」については、発信の中心がwebになっている今、FC加盟店では、チラシやポスティング、CMなど、アナログな媒体を利用しているということです。

こうしたイメージ戦略によって、お客さんの来店は増えます。
しかし後述しますが、FC店のスタッフはどこかで修業をしてきたわけではないので、実際来店の際の対応に不備があるなど、信用を失うこともあるそうです。

こうした視点でフランチャイズ店かどうかは把握できますが、正確には、各会社のHPで確認しましょう。

ちなみにリユースや買取業界での原則として、1つの市での出店は2店舗までという暗黙の了解がありますが、例えば「大吉」のように、競合店が集まるエリアであえて出店するという店もあります。

その理由は、広告費が抑えられるから。他の買取店での査定が納得できなかった場合、その足でお客さんが来店する可能性があるからです。

3.直営店とFC店の圧倒的な違いは「買い取り金額の差」

「直営店」と「フランチャイズ店」の最大の違いは
「直営店より、フランチャイズ店の方が、買い取り金額が安い」
ということ。

直営店は文字通り、その会社が直接運営しているので、FC店とは経営の形態が違い、店によっても異なりますが、具体的には5~10%の差があります。

その差は、鑑定力にあります。

FC店は、どこかで修業をしてきた人がオーナーになるわけではありません。目利きに関してもマニュアル化されており「FC店を始めるのに、目利きは必要ない」と言い切っている会社もあるほどです。

そのためモノの相場感やトレンドがわからず、買取店に最も必要な「横の繋がり」も築けません。
情報がないゆえ、正確な目利きができず、査定が低くなりがちです。

とはいえ、まれにFC店でも高い場合があります。
FC店のオーナーは個人経営なので、そのオーナーが市場の相場を把握するために勉強したり、業者市に出してみようという取り組みをしていけば、FC店としての実績が積めます。

しかし、こういった熱心な店は、「都心部」「競合が多い」という条件のもとにあります。

人口の少ない町にぽつんとあるような店舗は、やはり競合が少ない分、向上心は少な目ということがいえるでしょう。
ただし、エリアに一軒ということは、一人勝ちしている可能性もあるので、店舗側にとっては経営が楽かもしれません。

4.最終的に、FC店に行くことがオススメなのか否かはどっち?

3でも述べましたが「買い取りをお願いする」という場合、正直フランチャイズ店にお願いするメリットは少ないといえます。

それは、前述のように、FC店の経営者は鑑定力よりも経営力を重視しているからです。

もともと資産を持つ人たちが、その資産を増やすために「買取店のフランチャイズを経営する」という方法を選んだだけで、目利きの能力を高めようとか、相場より高く売ることで利益を出すということには、そもそも注目していないのです。

鑑定士が店を始めるのではなく、他業界から来た人が店を始めるわけですから、仕方がないことかもしれませんね。

例えばあるFC店では宝石の査定にアプリを使用しているそうですが、データを入力するだけの簡単なものなので、鑑定士のような正確な査定ができません。
さらに、複雑な色石などはそもそもデータがなく、査定そのものが不可。

ブランド品に関しても、最新のトレンドがわからないので「今の流行りのアイテム」なのに高価査定が付けられなかったり、お店の資本が少ないため、バーキンを買い取ることができないといったケースも。

あまり考えたくはないですが、特別な修業をしているわけではないので、真贋判定においても疑問が残ります。

販路に関しても、通常老舗店で重要視されている「横の繋がり」が、フランチャイズ店では築けません。

こうして情報量が圧倒的に少ないFC店の買取金額は、当然低くなります。

前述のような宝石だとその結果は如実で、経験値の高い宝石鑑定士の査定の半分になることもざらです。

そのため、その知識のなさから他店の鑑定士や営業が買い付けに行き、自分の店で高く売るというケースも出てきます。

ということは、逆にいえば、売りに行くのではなく「買いに行く」時には、フランチャイズ店はかなりオススメといえます。
目的のアイテムの相場を、事前にネットなどで調べていけば、思わぬ安さで買えることがあるのです。

また店頭にあるアイテムは本部で真贋判定を行っているので、コピー品である可能性も低いといえます。

ユーザーがちゃんとした知識や情報を持ち、目的のアイテムを買いに行くのであれば、思わぬ掘り出し物に出会えることもあるでしょう。

5.そもそも、フランチャイズ店を出店する理由は?

余談になりますが、フランチャイズ店のオーナーになるわけを考えてみましょう。

買い取り業界でのフランチャイズ経営は、よほど覚悟をしないと、うまく行かない傾向にあります。
それでもなぜ、FC店をやるかというと、マニュアルがしっかりしているので素人でも入りやすく、立地に恵まれれば儲かる可能性があるからです。

一般ユーザーにはほとんど知られていませんが、世の中には「フランチャイズ業界」なるものもあります。
主に全国のFCオーナー同士の勉強会になるのですが、そういう場所では買い取りに限らず儲かりそうなFCの業界情報が飛び交い、「買い取り店のFCがおすすめだ」という情報も当然流れてきます。

ただし、儲かっているFC店はひと握り。

「FCは儲かるよ」と手応えを感じているのは、地方で一軒しかないといった条件が整っている場合だけで、都心部での立地、そして素人であるなら、まず難しいといえます。

また門戸が広いものの、実際やってみると業界の奥深さを痛感し、実績のある鑑定士や老舗店の手堅さや経営方針を目の当たりにし、途中で「勝てない」と気付くのです。

そういう場合は、自分の目利きや業界での情報を得る努力を重ねるか、資本をうまく運用しながら、続けていくしかありません。

どんな業界でも「勉強や研究、自らの進化」が大切だといえるのかもしれませんね。

5.まとめ

いろいろな面からフランチャイズ店の現状を見てきましたが、一般ユーザーが買い取りをお願いしに行くことは、基本的にオススメしません。

ただし、自分の目的のアイテムがあり、相場を知ったうえで買いにいくには、FC加盟店はオススメです。

フランチャイズ店の位置付けとしては、リサイクルショップとブランド買取店の間の、微妙な立場といえます。
買い取りはしているけれど、追求しているものは鑑定力<利益。目利きにおいても疑問が残ります。

つまり見た目は「買取店」ですが、考え方はリサイクルショップに近いといえるかもしれません。

ですから、一般ユーザーも自ら情報を得ながら、「売る」「買う」の目的をはっきりさせて、フランチャイズ店を上手く利用したほうがよいといえますね。