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2021.01.21 コラム

エルメスが高い理由とは?エルメスの持つ魅力を紹介

一流高級ブランドとして世界的に有名な「HERMES(エルメス)」は、女性であれば誰もが憧れる存在です。
しかし、アイテム1つ1つが高い。どうしてこんなに高いのか疑問を抱く程、高額な商品ばかりです。
「なぜこんなに高いのか?」「高いのにどうして売れるのか?」
それを理解するためには、まずエルメスの本質的な価値を知る必要があります。
エルメスを深く理解することにより、「むしろこの金額で購入できるのは素晴らしい。」と感じて頂けるようになれば幸いです。

厳選された一流のレザー

レザーの画像

「全てのエルメスの製品は、長く使っていただけるよう、最高の素材を用いて作られています。」
と、エルメス自身が謳うように、エルメス製品は最上級の革が使用されています。

エルメスの、革(レザー)に対する情熱は凄まじく、世界中で最も優れたレザーだけを厳選し、最高品質を追求し続けています。

その昔、高級馬具を制作していた頃のエルメスは、一流の革製品として名が知れ渡り、王族や貴族を主な顧客としていました。
一流の革製品として認められたからこそ、王族や貴族に愛され、今も尚、一流の革製品として世界中から愛され続ける存在となったのです。

安価な革を仕入れ、工業化して量産し、ブランド力を利用して高価に販売している他のブランドとは全く異なるのです。

タンナーにもこだわるレザーへの情熱

レザーの画像

エルメスの革は自社で製造されたものではなく、タンナーから仕入れた革を使用しています。
タンナーとは、皮を革に加工する、なめし業者のことです。

革の良し悪しは、皮そのものの品質に加え、タンナーの腕前次第で決まります。
そのため、一流のレザーにこだわるならば、タンナーの厳選は欠かせません。

エルメスは、世界で数千~数万いると言われているタンナーから、ほんの一握りの一流タンナーを厳選しています。
そして、厳選したタンナーを買収、独占契約することで、エルメス独自のノウハウや、安定した供給を保っています。

世界屈指のタンナー「タナリー・デュ・プイ」

「タナリー・デュ・プイ(通称デュプイ)」は、エルメス御用達として有名な世界屈指のタンナーです。
1948年創業の老舗で、フランスのオーベルニュ地方にあります。

オーベルニュと言えば、天然水で有名な「ボルヴィック」の原産地です。
タンナーは、皮から革へと加工する過程で大量の水を消費するため、水の綺麗な土地を拠点とする傾向があります。

デュプイは、空気や水の綺麗なオーベルニュ地方で、のびのび育った牛を使い、独自の技術で最高品質の革へ仕上げているわけです。
更に、他のタンナーの2倍以上時間をかけて鞣しており、卸原価は相場の3~5倍すると言われています。

もはやデュプイ製の革を使っている事が高品質のステータスになっており、世界中の高級ブランドがデュプイ製の革を求めております。
ところがエルメスは、デュプイの革をさらに厳選します。
デュプイ製のレザー自体、最高品質であるにもかかわらず、その中でも数%しか製造されない極上の革だけを仕入れています。

豆知識2015年に、デュプイを傘下としていたEPIグループがエルメスに売却しています。

 

世界最高峰のタンナー「アノネイ社」

「アノネイ」は、デュプイから独立したタンナーで、1984年に設立されました。
フランス中南部の街「ANNONAY」にあります。

デュプイ同様、綺麗な水、健康な牛などの、
良質な革を製造する条件が揃っており、デュプイから受け継いだ製造ノウハウを活かし、最上級の革を作り上げるタンナーとして有名です。

質、価格帯も「デュプイ」と近似しており、特に「ボックスカーフ」は極上の一品です。
「ボックスカーフ」は、エルメスで特に人気なバーキンやケリー等にも使用されており、色味、艶、耐久性など非の打ち所がありません。

豆知識2013年にデュプイ同様、エルメスが買収しています。
ルイ・ヴィトンやシャネルも、アノネイ社の買収を狙っていましたが、エルメスで決定しました。

一流の職人による手作業

エルメス 手作業エルメス公式サイトから引用

エルメスのアイテム1つ1つが、職人の手作業という話は有名です。
バッグ1つにしても、1人の職人が最初から完成まで手作業で製造しており、担当の職人によってエルメスの刻印が異なります。
そのため、バッグや財布によって刻印が薄くなっていたり、稀に刻印がされていない事があります(笑)

ここからはあまり知られていない内容になりますが、エルメスはアイテムを制作する職人を尊重しており、
一流の職人にするためのあらゆる研修制度、システムの構築に惜しみなく投資します。

エルメスは、毎年膨大な数の応募から才能のある人を200人程厳選し、一流と認められるまで取得できない”修了証”を獲得するまでみっちり育成しています。
10人中9人の割合で、殆どの応募者は革製造に携わっていないにも関わらず、エルメス独自の研修制度や教育システムによって、一流の職人へと育て上げるわけです。

また、エルメスと傘下の関連会社の中に、国家最優秀職人章(M.O.F)の称号を持つ職人が在籍しています。
M.O.Fは、卓越性精度革新性を備える一流の職人のみが取得できる、大変名誉ある称号です
寝る間を惜しんで勉強すれば獲得できるような資格とは訳が違い、取得する職人はトップアスリートさながらの生活を要すると言われています。

最後に

いかがでしょうか?
エルメスは、ただ単にブランド力で価格を吊り上げている訳ではないことがご理解頂けたのではないでしょうか?
厳選された素材、タンナー、職人。
そして、エルメスの積み上げた技術と信頼。
その全てを組み合わせて具現化した存在、それこそがエルメスのアイテムなんです。

まさに、「革物の王様」と呼ぶにふさわしい存在なのです。