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ダイヤモンドの査定が買取店によって違う理由
ダイヤモンドの査定が買取店によって違う理由は、大きく分けて3つあります。
①ダイヤモンドの査定方法
②ダイヤモンドの売り先
③お店ごとの利益率の設定
今回はダイヤモンドの査定に違いが出る理由を一つ一つ解説していきます。
①ダイヤモンドの査定方法
ダイヤモンドの査定は、まずそのダイヤのグレードを見極める必要があります。
その際に4Cと呼ばれる4つの特徴を鑑定しなくてはなりません。
4Cとは、カラット/carat(重量)・カラー/color(色)・クラリティ/clarity(透明度)・カット/cut(プロポーション)の頭文字である「C」の総称です。
これは国際基準で明確に定められており、ダイヤモンドの査定には欠かせない特徴です。
<カラット(重量)>
主に「ct」と表記される。大きさではなく、重さの単位。ダイヤモンドは1ct=0.2gで計算される。このカラット数が大きければ大きいほど希少性が高まり、買取金額が高騰する。
<カラー(色)>
アルファベットの「D」から「Z」までで表す。しかし、現在では「N」以降はベリーライト(VLY)やライトイエロー(LY)で表記される。カラーグレードが「D」だった場合、無色透明と判断され、「Z」に近づくにつれて黄色味を帯びていく。ただし、「G」まではほぼ無色透明。ダイヤモンドは黄色がかった色の場合、評価が下がるためカラーグレードが「Z」に近い場合、買取金額は下がる。
<クラリティ(透明度)>
クラリティには外部的要因(ブレミッシュ)と内部的要因(インクルージョン)の2種類に区別される。インクルージョン(内包物)がダイヤモンドのクラリティグレードに与える影響は、大きさや数、位置や性質によって決められる。ブレミッシュにはスクラッチやニック、ナチュラルなどがある。
【クラリティのグレード表記】
FL:10倍拡大鏡でブレミッシュやインクルージョンが見られない
IF:10倍拡大鏡でインクルージョンが見られない、重要ではないブレミッシュのみ
VVS1、VVS2:10倍拡大鏡で見えにくい僅かなインクルージョン
VS1,VS2:10倍拡大鏡で見えるか見えないかの軽度のインクルージョン
SI1,SI2:10倍拡大鏡で見えやすいインクルージョン
I1、I2:肉眼でも見えるインクルージョン
FLやIFに近いほど金額は上がり、逆にI1やI2に近づくと金額は下がる。同じ1ctのダイヤモンドでもクラリティの違いで数十万円金額が変わる。
<カット(プロポーション)>
カットは主にダイヤモンドの輝きや煌めきに影響を与える。最良のプロポーションやフィニッシュの要素であるシンメトリーやポリッシュが、そのダイヤモンドをより輝かせる効果がある。
【カットのグレード表記】
EX(エクセレント)>VG(ベリーグッド)>G(グッド)>F(フェア)>P(プア)
エクセレントが最もグレードが高い。エクセレントには3EX(トリプルエクセレント)や3EX H&C(ハートアンドキューピッド)と呼ばれるさらに最上級の呼称がある。
ハートアンドキューピッドは拡大鏡で見た時にハートやアロー(矢)の形を見ることが出来る。そのためハートアンドアローと呼ばれることもある。
しかしながらEXと比較しても、買取金額に明らかな差があるわけではない。
前述したようにダイヤモンドの価値を決めるのは4Cですが、鑑定士によってグレーディングにバラつきが出てしまうのが事実。
このバラつきこそがお店によって査定が違う理由の一つです。
ダイヤモンドの売り先
一般的にはあまり知られていませんが、買取店によってダイヤモンドの売り先は様々です。
①業者間オークションへ出品する
②貴金属買取専門業者へ売る
③店頭で販売する
④ネット通販で販売する
⑤フランチャイズ加盟店の場合、本部(加盟元の企業)へ売る
大別すると5通りの方法があります。
ではなぜ売り先によって査定が違うのか。売り先が買取店に及ぼすメリットやデメリットなどの特徴を説明します。
①業者間オークションへの出品
多くの買取店は業者間オークションにダイヤモンドを出品して、ダイヤモンドを売り捌きます。
【業者間オークションに出品するメリット】
・正確な相場で売ることが出来る
・業者同士が競り合うことで、金額が上がる可能性がある
・大手企業オークションの場合、海外バイヤーも多く参加しているので、国内需要のみならず海外での需要も加味される
・会員になれば、開催されたオークションの結果を大会ごとに確認する出来る(相場の構築)
・毎月1~2回開催されるので、買取店は在庫過多を防ぐことが出来る
【業者間オークションに出品するデメリット】
・常に相場が変動するので、情報を刷新していないと赤字になることがある
・開催する企業や参加する業者によって落札金額に差が生まれる(大手企業が開催するオークションには有力な業者が参加することが多い)
・手数料が落札金額から引かれる(3%~5%)
・参加するには年会費がかかる
デメリットがあるのにも関わらず多くの業者がオークションを利用する理由は、デメリットが起きる可能性が低いことに起因します。
手数料や年会費はたかが知れてる金額で、赤字が出ることはあまりありません。
それよりも「正確な金額」で売れる、「相場を確認することが出来る」というメリットのほうがより重要視されます。
もちろん相場を把握していれば赤字になる確率は下がり、お客様への信頼にも繋がります。
だからこそ、多くの買取店は業者間オークションを利用するというわけです。
②貴金属買取専門業者へ売る
貴金属買取専門業者は多くの場合、ダイヤモンドも取り扱っています。
【貴金属買取専門業者へ売るメリット】
・直接値段交渉が出来る
・海外相場を査定基準にしている(大手企業の場合)
・営業が買い付けにくるので、手間がかからない
・相場の動向を把握できる
【貴金属買取専門業者へ売るデメリット】
・業者間オークションよりも買取金額が低いことが多い(利益確保のため)
・各業者ごとで買取金額に差が出る
・相場表を渡してくれるわけではない
貴金属買取専門業者へは主に小さなダイヤ(メレダイヤ)を売ることがほとんどです。
一粒ではなかなか金額が付きづらい、指輪などの枠から外すことが出来ないダイヤモンドもその類。
あくまでも貴金属を売る「ついで」に売る感覚です。
③店頭で販売する
店頭販売をしているお店なら、この方法が最も利益が出やすい売り方です。
【店頭販売するメリット】
・多くの利益を見込める
・実際にお客様が目で見て購入できるので、安心感がある
・販売価格設定はそのお店が決めることが出来る
【店頭販売するデメリット】
・セキュリティーレベルを上げる必要がある
・人件費がかかる
・滞留在庫が増える
・販売員も専門的な知識が求められる(人材育成の必要性)
・売れづらい
店頭販売は販売価格の設定をお店側が自由に変更できるので、利益の確保や売上目標の設定といった点では優れていますが、デメリットを考えると費用対効果は決して高くありません。
また、お店自体に集客力がなければ成立しないので、リスクは高めです。
④ネット通販で販売する
ネット販売が主流化する中で、ダイヤモンドも販売されています。
【ネット通販で販売するメリット】
・一度に多くのダイヤモンドを販売することが出来る
・販売スペースが必要ない
・人件費を抑えることが出来る
【ネット通販で販売するデメリット】
・鑑定書(最新Ver.)が無ければ売れづらい
・写真ではその輝きを表現することが難しい
・ネット通販自体の信用性が低い
もちろんダイヤモンドもネット通販で売られていますが、ダイヤモンドに関わらず宝石全般は売れづらい傾向にあります。
最も重要な輝きを表現することが難しいため、鑑定書は必須と言えます。
また、通販で高額商品を購入すること自体に信用性が乏しく、店頭販売同様に滞留在庫が増えることになってしまいます。
⑤フランチャイズ加盟店の場合、本部(加盟元の企業)へ売る
近年、業界の盛り上がりを受けてフランチャイズ店が増加しています。
【フランチャイズ加盟店の場合、本部(加盟元の企業)へ売るメリット】
・赤字を防ぐことが出来る
・安定した利益を確保することが出来る
【フランチャイズ加盟店の場合、本部(加盟元の企業)へ売るデメリット】
・買取金額を下げる必要がる
・加盟元企業の言値でしか売れない
・相場の共有がされない
・お客様の信用度が下がる
フランチャイズ加盟店のオーナーは、他分野からの参入が多く、いわば「素人」同然の状態です。
そのため、高い専門性が求められるダイヤモンドの査定は得意とは言えません。
加盟元の企業は大抵の場合、写真を送ってもらうかスカイプでダイヤモンドを確認し、買取金額を伝えます。
もちろん直接目で見て判断しているわけではないので、いわゆる「安パイの金額」しか伝えません。
加盟店としては利益を確保するためには、その提示金額より安く買取る必要があるので、競合他社にお客様を取られてしまうことが多いのが現実。
赤字は防げますが、商品自体集まらないので、あまり得策ではありません。
このように、どこにダイヤモンドを売るかによって買取金額に差が出ます。
売り先の提示金額が高ければ、その分高価買取が出来るということです。
ともあれ、やはり「相場」を把握しているお店が最も高く買い取ってくれるという認識で間違いないでしょう。
お店ごとの利益率の設定
まず「利益率とは」から解説していきます。
利益率とは売上高に占める利益の割合のことです。
Ex.)売上:100万円 利益:50万円 →利益率50%
早い話、この利益率を低く設定すればするほど高価買取が出来るお店となりますが、一方で多くの利益を確保することは出来ません。
しかし、売上高を伸ばせば利益率は低くとも、ある程度の利益は確保出来ます。
Ex.) A店 利益率設定:40% 売上:1000万円 利益:400万
Ex.) B店 利益率設定:20% 売上:5000万円 利益:1000万円
このように利益率が低くとも売上高の伸ばすことで、高めの利益率のお店より利益を得ることが出来ます。
しかし、売り上げを伸ばすためには高い客単価と、集客力がなければ成立しません。
よって高く買ってくれるお店とは、高額な商品が集まる繁盛店で、逆に低額な商品が集まる閑散としたお店は買取金額が低くなりがちということです。
こういったことも査定に違いが出る理由です。
以上3つがダイヤモンドの査定が買取店によって違う理由です。
他にも様々な要素がありますが、この3つを押さえておけば、お店選びにも役立つはずです。
ダイヤモンドの査定の差を出来るだけ最小限に抑える方法
前述したようにダイヤモンドの査定は買取店ごとに差が出ます。
しかし、その差を最小限に抑える唯一の方法があります。
必ず鑑定書を取得する
鑑定書(またはソーティング)はダイヤモンドのグレードを保証してくれます。
鑑定書にはそのダイヤモンドに関する情報がすべて記載されていますので、4Cを見誤る事なく査定してもらえます。
ただし、どの鑑定書でも良いというわけではありません。
鑑定書に関する2つの注意点
①必ず最新のものであること
ダイヤモンドの鑑定基準は年々厳しくなっているため、古い鑑定書は信用度が下がります。
鑑定書だと取得する際に金額が高くなるので、主要な情報のみが記載されているソーティング(簡易鑑定書)でも構いません。
必ず最新のものを取得しましょう。
②A鑑定機関(日本では中央宝石研究所、海外ではGIAなど)で取得したものであること
鑑定機関はA~Cまで区分けされ、A鑑定機関は中央宝石研究所・GIA・AGTの3社のみとなっています。
上記3社以外のAGL加盟鑑別機関をB鑑、その他をC鑑と呼びます。
実はB鑑もC鑑も鑑定基準にバラつきがあるため、ほとんどの買取店では信用しません。
最新かつA鑑定機関で取得した鑑定書であれば、ダイヤモンドの査定の差を最小限に抑えることが出来るということです。
正しい相場でダイヤモンドを売るためにはお店選びが最も重要
買取店によってダイヤモンドの査定が違う、そしてその違いを最小限に抑える方法をお伝えしてきましたが、「ダイヤモンドを売る」ことに関してはお店選びが最も重要です。
査定が違う理由や違いを抑える方法を理解したとしても、売るお店の選択を間違えてしまったら何ら意味はありません。
信用の出来る買取店の条件をしっかりと抑えておきましょう。
宝石鑑定資格保有者が在籍している
鑑定士になるために必要な資格はありませんが、宝石鑑定資格保有者であれば、より専門性の高い査定が可能です。
しかしGGやGIA、FGAといった最高機関での修士でなければあまり意味がありません。
宝石鑑定資格保有者がお店にいるということは、買取店にとってメリットしかないので必ずHPなどに掲載しています。
必ず確認しましょう。
宝石買取の専門店を選ぶ
ダイヤモンド、いわば宝石の査定にほ膨大な知識量と経験が必要です。
専門店であれば、宝石鑑定に特化していますので、資格がなくとも信用性は高いです。
歴史や知名度ではなく口コミを重視する
歴史があるから、知名度があるから信用できる時代はすでに終わっています。
重要なのはお客様からのリアルな「声」。
比較サイトやHPの口コミを見て、自分が納得できるお店を選ぶようにしてください。
出来ればお店を数件回る
多少面倒ですが、数件回ればどこが一番高い金額を提示してきたかを知ることが出来ます。
今では各お店でline査定を行ってますが、ダイヤモンドは画像ではその本来のグレードを把握することが出来ません。
そのため、面倒ではありますが少なくとも3件は回るようにしてください。
自分が納得できるお店で売る
「査定」「買取」といってもあくまで客商売なのが事実。
買取金額が高いからといって、接客中の態度や言動が気に食わず納得できなければ、そのお店に売ることはお勧めしません。
どこの買取店でも、買取成立後に商品の返却は承っていないので、必ず納得できるお店に売ってください。
まとめ
ダイヤモンドの査定が買取店によって違う理由から派生して、損をしない売り方まで解説してきましたが、すべてが必要な情報というわけではありません。
あくまでも買取店とお客様は、「人」対「人」だと思っています。
どうしても金額に差が出るダイヤモンドですが、信用の出来る鑑定士を見つけてください。
高いものほど納得して売る。
是非参考にしてみてください。