新着情報

NEWS

2019.08.01 コラム

偽物注意!エルメス ケリーのコピーの見分け方

エルメス 偽物 コピーのアイキャッチ画像

女性の憧れのバッグと言えば、エルメスのケリーもその一つ。
その人気はバーキンと並ぶほどのもので、サイズやカラー、素材にもよりますが定価が120万円~180万円以上する高級なバッグです。
価格もですが何よりも品質がトップクラスのため、少しでもお値打ちなケリーを手にしようと中古品の需要が高いのも事実。

需要があるということはそれだけ売れやすい商品ということになり、精巧な偽物も多く出回る傾向にあります。
意外と偽物が私たちの身近な存在になってしまっているということです。
しかもそのクオリティは年々質をあげ、プロの鑑定士をも悩ませるほど。

そこで今回は偽物をつかまされることがないように、ケリーの本物と偽物の見分け方をご紹介させていただきます!

1. カデナ、カギ

バッグ本体に目が行きがちですが意外と重要な見分けポイントが“付属品”
「カデナ」と呼ばれる南京錠や鍵にも本物と偽物を見分ける要素がぎっしりと詰まっています。
エルメスのカデナ(偽物と本物)
こちらのカデナはあまりにも精巧に作られていてぱっと見では見分けがつかないほどのクオリティ。
「HERMES」の刻印が本物も偽物の綺麗にまっすぐに入っていて、鍵穴の複雑な形状も見事なほど酷似しています。
重量感やフォルムも本物そっくり。
しかし「HERMES」の下の4桁の数字の意味を理解しておくだけで本物か偽物かの判断材料にはなります

カデナの数字4桁とは

カデナには「HERMES」の下に数字が4桁刻印されていて、それらはカデナの年式を表しています。
エルメスのカデナ(年式)こちらは2018年12月に作られたカデナであることを示しています。
通常、カデナの製造はバッグ本体よりも1年古いそうですが、カデナとバッグ本体の年式が同じ場合もあります。
ちなみにこちらのカデナが付いていたケリーのバッグ本体の刻印はC刻印だったためカデナと同じ2018年製となります。

カデナとバッグを付け替えている場合も考えられますが、まずもってそう言ったパターンは少ないでしょう。
しかし、あくまでもカデナとバッグの年式が違うという理由で偽物と断定することはできませんのでご注意を。

<偽物>

エルメスのカデナ(偽物)「HERMES」の刻印が左右対称に入っていません。
左寄りに入っていることが確認できます。
歪んでいるのもわかります。

カデナの偽物と本物左:本物 右:偽物

本物と偽物を並べてみると厚みが少し異なります。
鍵穴を囲む丸のサイズも右の偽物の方が小さくなっています。

鍵の偽物と本物
形状はとても上手く作られていて本物に近い状態ですが、質感が全く異なります。
本物は鍵の細部までもが綺麗に研磨されていますが、偽物は細かなところまで丁寧に研磨されていないため触ると角が手にあたるような感覚がします。

POINT・形状
・カデナと鍵ナンバーが一致するか
・カデナの4桁
・細部の処理

2.クロア

ケリーやバーキンのクロア部分は粗が出やすい部分。
クロアとは開閉時に使用するベルトのような留め具のことを言います。
2014年までに製造されてたケリーはこのクロア裏に年式の刻印がありましたが、2015年のT刻印からはバッグの内側側面の上部に刻印されるようになりました。
まずはクロアの金具の刻印から。

クロアの偽物と本物(表)数年前からクロア部分の金具の刻印が変わり「HERMES-PARIS」の両サイドに「-」が加わり、「-HERMES-PARIS-」に。
両者の刻印を見比べても、違いはほとんど見受けられません。
少し前のコピー商品はこの刻印が雑な物が多く、すぐに偽物とわかるようなレベルでした。
この偽物はフォントや刻印の深さなどが見事なまで表現されているので、この部分だけでの真贋判定はとても難しいと思います。

クロアの細かなところを見ていきましょう。

クロアの偽物と本物(裏)こちらも本物と偽物の違いがあまりなく、よく作られていると思います。
鋲の打ち込み位置は問題ありませんが、の大きさが偽物の方が大きく、打ち込みの深さも浅いです。
切り口の金具の側面などの処理をよく見るととても荒くザラついた質感。
クロアの金具部分切り口

POINT・「-HERMES-PARIS-」のロゴの刻印
・縫い目、鋲の打ち込み位置、深さ
・切り口の処理

3.ロゴ

ロゴはブランドの顔に当たります。
職人が一つ一つ手作業で作るため、個体差は生じますが特徴は明確です。
ロゴの本物と偽物エルメスのロゴは文字が型押しされた上から塗料が付けられています。
本物はしっかりと型押しされているのが分かりますが、偽物は型押しされておらず、周りの革とのメリハリがありません
また染料が文字からオーバーしていてはみ出しています。
こちらのロゴは文字がつぶれています。
本物でも刻印から塗料がはみ出す場合もありますが、すっきりとしているのは確かです。

POINT・フォント
・ロゴが型押しされているか
・文字のつぶれ、塗料のはみだし
・文字間

4.フラップ

フラップの本物と偽物本物も偽物も綺麗に縫製されていてパッと見では違いが分かりません。
コバに平行して施されている細い溝の「念引き」も本物同様に偽物にもしっかりと確認ができます。
金具部分を拡大して見てみましょう。

<偽物>
フラップの拡大画像

鋲の打ち込みはよくできていますが、切り口と金具の位置がズレています。
金具の側面の処理もガタガタになっています。
多少の個体差はありますが本物は綺麗に一致し、金具の処理もすっきりとしています。

フラップ裏も見ていきましょう。

<偽物>
フラップの偽物

触れてみるとわかりますが革が薄いため、たるみが本物よりも目立ちます。
こちらは内縫いのためフラップの付け根部分を内側に縫い込みますが、本物に比べ偽物は無理くり内側に持ってきている感じがします。

POINT・縫製
・金具の鋲、切り口
・フラップ裏

5.クロシェット

付属のクロシェットも真贋ポイントが詰まっています。
どうしても付属品よりもバッグ本体に目が行きがちですが、付属品の細かな部分まで見ることも大切です。
クロシェットの偽物と本物
エルメスファンの方ならご存知かと思いますが、縫い目の返しに特徴があります。
クロシェットは、上から2針目までと下から3針目までは縫い返しがされています。
この真贋ポイントに関しては、本物も偽物も相違がありません。
ここだけを見ると真贋判定は難しく思います。

違った角度から見ていきましょう。
クロシェットの側面コバの厚みに注目してください。
本物と偽物とではコバの厚みが異なります。
さらによく見ていくと偽物のコバは4層になっているのが分かります。
もともと2重の革を折り返して4重になったことが推測され、厚みが増し、本物よりもぼてっとしたコバの処理になっています。

POINT・縫い目の折り返し
・コバの処理

6.その他

これまでご紹介した真贋ポイントのほかに、「底鋲」「ハンドル付け根の金具」「クロアの付け根の縫い返し」などがございます。
しかし、今回ご紹介した偽物はあまりにも精巧に作られたスーパーコピー品だっため、それらの真贋ポイントだけで本物か偽物かを見極めるのはとても難しいというのが正直な感想。

偽ブランド品事情

ネットオークションやフリマアプリの普及により、ネットショッピングでの偽ブランド品に関するトラブルが年々増加し、消費生活センターへの相談件数は2016年から2018年には約7割増の2500件以上になっています。
日本だけでなく、世界規模で見ても偽ブランド品などの侵害品流通量も増加傾向にあり、横行する偽ブランド品の販売を食い止めることは困難な状況になっています。

日本人がターゲット?!

韓国には偽ブランド品を売る文化が根付いていると言っても過言ではないほど、偽物通販や闇市などでブランドのコピー品が売買されている現実をご存知でしょうか。

韓国の明洞(ミョンドン)と南大門(ナムデムン)市場一帯は外国人観光客が多く集まる場所として有名で、特に日本人観光客だけを狙い、ルイヴィトンやエルメス、シャネルなどの偽ブランド品を売ろうとする韓国人が多いそうです。
今年逮捕された人物が販売していた偽ブランド品は約7100点あり、すべて押収され、正規品価格は約4億円相当だったとか。

しかし、これは単に日本人観光客が騙されたという問題ではなく、本物か偽物か分かりづらい偽物を偽物と知りながら本物よりも安価で購入できるというところに価値を見出す日本人のモラルに問題があるのではないかと思います。

日本の現行法

いまの日本の法律では個人使用のための偽ブランド品の輸入は違法にはなりません。
税関で偽物とばれることがあったとしても個人使用目的と認められれば荷物はそのまま送られてきます。
個人使用であるということを盾に言い逃れできてしまう現状です。
しかし、本当に偽物と知らずに購入してしまっているケースもあるため、法改正はなかなか難しいところかと思います。

◆まとめ◆

ケリーのバッグを5つのポイントに分けて真贋の見分け方をご紹介させていただきました。
ぜひ参考にしてみてください。

もし、ご不安に思うようなことがありましたら、ぜひ名古屋の大進洋行昭和買取店へご相談ください。