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2019.11.07 コラム

コーチの買取金額が安い理由を鑑定士目線で解説します。

コーチ(COACH)は10,000円~100,000円ほどで購入できる比較的リーズナブルな価格設定のブランドです。
女性へのプレゼントとしても無理のない価格帯なので、レディースのバッグや財布などはよく売れており、買取店やリサイクルショップへの持ち込みが多いブランドです。

しかし…コーチの買取査定額ははっきり言って「低いです。

何故、これほど有名なブランドなのに買取価格が低くなってしまうのでしょうか?
本記事では、コーチが安い理由や、買取店ならではの事情をご紹介します。

アウトレット専用商品が大量に流通

一般的にアウトレットと聞くと「在庫品・型落ち品・B級品などを処分するお店」というイメージが定着していますが、コーチの場合は少し違います。
なんと、コーチは意図的に『アウトレット専用商品』を生産しているのです。

あらかじめアウトレットで販売しても採算が取れるような品質で製造して、消費者の手の届く価格設定でバラ撒き、知名度(ブランド力)を稼ごうという狙いです。

例えば、直営店では40,000円~70,000円で財布を販売しているのに対し、アウトレット店では10,000円~30,000円だった場合、同じコーチのブランドを買うならアウトレット店で購入したくなりますよね。

このように、お得を感じさせる仕組みで有名ブランドへと一気に普及したわけです。

しかし、安価でのバラ撒きが裏目となり、「誰でも持っている」「誰でも買えるブランド」というイメージが定着してしまった事が値下げの要因の1つとされています。

ブランド品はイメージが命ですからね。

直営店とアウトレットの違いは一目瞭然

直営店アイテムとアウトレット専用商品かを見分けることが出来るのもコーチ製品の特徴。
バッグであれば内側のレザープレート、財布の場合は内側の小さなタグに秘密があります。
今回はバッグのレザープレートを使って説明させていただきます。

コーチファクトリー製品を示す「F」が数字の前に付いているものはアウトレット専用商品を示します。
その他「FS」も同様です。
それに対して直営店アイテムに刻印されているのは数字だけ。

また、今回は画像がご用意できなかったのですがアウトレット品でも「F」や「FS」が付いていない数字だけのものもあります。
その場合はレザープレートの右上付近に「◎」の刻印があり、直営店でシーズンオフなどの理由により売れ残った製品を示します。

明確な違いはありますが、買取店おいては、コーチの直営店アイテムとアウトレット品の買取査定額は大差がなく、“コーチ製品”として同等に考えて査定をしているところがほとんどです。

 

偽物の流通量が多い

コーチはアメリカのブランドですが、生産国は“MADE IN CHINA”、尚且アウトレット品の大量生産。
そのため、コピー商品が多く出回っています。

コーチの品質自体、高級ブランド品であるルイヴィトンやエルメスなどに比べると縫製や材質などを含め明らかに劣ります。
アウトレット品となるとさらに品質は低くなるため、コピー商品の製造が容易です。

アウトレット品が多く、さらにコピー商品が多いため、コーチのアウトレット品は買取しないお店もあるとか。。。
品質も低く、元値も安い、そしてコピー商品が多い。
買取店などは再販することを考えると、積極的に買取したい商材ではないとういうことになります。

ネガティブなブランドイメージが定着

先に述べた事実から、みなさんがコーチに抱くイメージは一つです。

『安い』=品質が悪い

アウトレット品があまりにも出回りすぎてしまったため、ブランドイメージも“安いイメージ”となってしまいました。
「誰もが持っている」「すぐ手に入る」というイメージはブランド品を身につけるユーザーにとってはネガティブでしかありません。

やはりブランド品を身に着ける以上、「特別な人しか買えない」「私は特別」という欲求を満たせないと、買う意味がないわけです。

この根付いてしまったネガティブなブランドイメージを払拭するにはかなりの企業努力が必要になるかと思われます。
一時廃ってしまった感があったイメージを見事に払拭したフェンディのように、コーチの人気も再燃するのか今後が楽しみです。

まとめ

コーチの買取金額が安い理由をご紹介しました。

アウトレット品の過剰な出回り
偽物が多い
ブランドイメージの低下

コーチの商品を売る際はブランド品だからと言って期待するのはやめて、処分前提での売却をおすすめします。