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高騰し続けるアンティークロレックス~GMTマスター編~
業界でもはや当たり前となっている、アンティークロレックスの高騰。
これは「ロレックスバブル」とも呼ばれ、とどまることを知らず、専門家でも予想がつかない査定になることも多々あります。
そんな中、ロレックスのロングセラー従来の「GMTマスター」が、ロレックスのパンフレットから消えるというニュースが飛び込んできました!
パンフレットからなくなることが、今後の製造中止を意味するかはわかりませんし、公式発表もありません。
しかし、業界では「あまり注目されてこなかった古いGMTも、急激に値段が上がるのではないか?」と噂されています。
そこで今回は、話題沸騰中のGMTマスターについてご紹介します。
ちなみに、アンティークロレックスの定義については、コチラ↓をご覧ください。
高騰し続けるアンティークロレックス ~デイトナ編~
1.パン・アメリカン航空からの依頼で
誕生したGMTマスター
引用元:Wikipedia
GMTマスターはもともと、パン・アメリカン航空から製造を依頼されたパイロットウォッチで、1957年に完成しました。
ユーザーはもちろんパイロット。
職業の特性ゆえ、「世界3ヶ所の時間を、ひと目で確認できる」というのが先方の依頼でした。
この依頼に応えるべく開発され、GMTマスター最大のポイントとなっているのが「双方向回転ベゼル」。
例えばロレックスのサブマリーナやシードゥエラーのようなダイバーズウォッチでは、ベゼルに逆回転を防止する機能がついていますが、GMTでは双方向にベゼルを回せ、この機能と「GMT針」と言われる針により、3ヶ所の時刻を読み取ることができるのです。
ちなみに初期モデルの型番は「6542」。
6542はパン航空向けに作られたので、あまり出回っておらず、製造期間も1957~1960年と、非常に限られた期間でした。
だからといって、買取市場で高騰することはこれまでなかったのですが、前述の理由で、業界からは注目が集まっています。
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2.安定のロングセラー、
Ref.1675の魅力とは?
引用元:http://www.909.co.jp/
さて、6542を経て製造が始まったのが「1675」。
1960~1980年までの20年間、しかもムーブメントを変えることなく作り続けられた、ロレックスでは珍しいロングセラーです。
ロレックスというブランドは、機構をプラスしたりレベルアップさせるため、ムーブメントを進化させます。
その進化を経るごとに、アンティークロレックスは「第○世代」と区分けされ、世代によって査定が変わっていく傾向にあります。
しかしGMTは、「3ヶ所の時間が確認できる」が最大のポイントなので、そもそもムーブメントを変える必要がなく、「第○世代」といった区分けはありません。
とはいえ、5期に分かれた製造期間の中で、仕様だけは変更していきました。
この仕様はかなり細分化されているので、ひとつずつご説明します。
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3.マニアには常識!「フジツボ」
「カメレオンアイ」「ヒラメケース」
以前「高騰し続けるアンティークロレックス ~デイトナ編~」でもお伝えしましたが、ロレックスマニアは、デザインや経年による焼けなどに、独特の通称を付けることがあります。
それは、査定にも影響します。
今回のGMTで知っておきたい通称といえば、まず「カメレオンアイ」と「フジツボ」。
こちらは呼び方は違いますが、実は同じことをさしています。
対象となるのは、16750の金無垢ベゼル、コンビモデル。
以下の写真をご覧ください。
引用元:ウォッチペディア
このモデルでは、インデックスに「「トリチウム」という夜光塗料が塗ってあるのですが、暗闇で光るそれを「カメレオンアイ」と呼び、通常の光の下では、海に棲む「フジツボ」に見えることから、このような名前がつけられています。
もうひとつ知っておきたいのが「ヒラメケース」
ロレックスには、リューズが容易に動かないよう「リューズガード」を付けているラインがあるのですが、その中でも、平たいリューズガードになっているものを「ヒラメケース」と呼びます。
引用元:https://watch-kaitori.com/
横から見るとヒラメに見えますよね。
このように、ムーブメントが変化しない分、仕様によって差が付くのが、GMTマスターの特色にもなっています。
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3.GMTの新しい注目株
Ref.126710 BLRO
引用元:https://www.thewatchcompany.co.jp/
さて、世界最大の宝飾と時計の見本市「バーゼル」の2018で、復刻版が出たことで注目を集めているのが「126710 BLRO」。
GMTマスターの復刻版で、その配色から「ペプシモデル」とも呼ばれています。
大きな特色は「ジュビリーブレス」です。
ジュビリーブレスとは、装飾性の高いブレスのこと。
GMTのようなスポーツタイプで、わざわざ装飾性の高いジュビリーブレスを使うアンバランスさが、マニアから受けています。
ペプシカラーと呼ばれる配色、初期モデルを踏襲したケースサイズ(時計の横の直径)、そしてジュビリーブレスは、126710の三大ポイントとなっており、じわじわとファンを集めているようです。
従来のGMTがロレックスのパンフレットから消え、それがGMTの製造中止を意味するのかはまだわかりませんが、126710は最近発表されたモデルとあり、GMTファンにとっては、その名を新世代に伝える、唯一のモデルになっていくかもしれません。
このように、時代に合わせて進化を遂げたり、中にはGMTのようなロングセラーを持つロレックスですが、デザインやケースサイズはそのまま踏襲し、ムーブメントだけは進化させていくスタイルが、多くのファンを惹きつける理由になっているのでしょう。
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4.新たな人気者になるか?
GMTの 気になる査定価格は?
さて、最後になりましたが、気になる査定価格を表にしてみました。
一般ユーザーから見ると「そんなことが?」ということが、査定に大きく影響するのも、ロレックスの特徴です。
ロレックスの査定価格はかなり変動するので、1つの参考としてご覧ください。
Ref.6542
~GMTマスター ファーストモデル~
年式 製造時期 |
シリ アル |
型番 | 特徴 | ムーブ メント |
買取相場 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1957-1960 | – | 6542 | リューズガード無し(※1) トロピカルダイヤル(※2) ミニGMT針(※3) |
プラスチック ベゼル |
1030 1066 |
200- 450万円 |
アルミ ベゼル |
50- 250万円 |
★特長の意味
※1「リューズガード無し」…リューズを動きにくくする「リューズガード」がないもの
※2「トロピカルダイヤル」…経年による焼けで変色したダイヤルのこと
※3「ミニGMT針」…GMT針の先端部の三角マーカーが、ほかのモデルより小さいこと
Ref.1675
年式 製造時期 |
シリ アル |
型番 | 特徴 | ムーブ メント |
買取相場 |
---|---|---|---|---|---|
1960-63 | -12 | 1675 | ミニッツサークル ミラーダイヤル |
1570 | 250万 |
1963-65 | 12-16 | ミラーダイアル | 1570 | 180万 | |
1966-70 | 15-28 | MK1・ロングE(※1) | 1570 | 120万 | |
1970-74 | 27-41 | MK2 | 1570 | 100万 | |
1974-80 | 39-68 | MK3以降 | 1570 | 90万 |
★特徴の意味
※1「ロングE」…文字盤のROLEXのロゴの「E」の横棒がやや長い
GMTマスターは、デイトナやサブマリーナ、シードゥエラーに比べ、ムーブメントが変わっていない分、細かく分類されていませんが、仕様により査定が異なってきます。
また、GMTが再注目されているという理由だけでなく、アンティークロレックスの査定価格は日々変わります。
ですので、もしアンティークロレックスを持っている場合は、有名・老舗の買い取り店や、アンティークロレックスを専門に扱っているショップで、まず査定をしてもらってください。
相見積もりを取ることもオススメです。
こうした店は、アンティークロレックスの価値を知っている上、日々情報をアップデートしているため、より正確な査定と、適正価格での取引をしてくれるでしょう。
店はネットでの検索や口コミが参考になります。
自身の大切なロレックスの価値がわかる店を、ぜひ選んでください。
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5.まとめ
冒頭で述べたように、パンフレットからその名前が消えた、GMTマスター。
名前がない=製造中止、と直結するかは未だ謎ですが、このニュースが入った夏頃から「希少価値が高くなるのでは?」と予測され、実際じわじわと価格が上がっています。
また、ロレックスの中でもムーブメントを変えないロングセラーという珍しさから、改めてその安定感に注目するファンも出てくるかもしれません。
過去のコラムでも、アンティークロレックスの高騰ぶりをお伝えしてきましたが、中には何千万の価格が付いたり、人気が急に出てくるものもあるでしょう。
しかしそれは、業者やマニアでも完全に予測が付くものではありません。
アンティークロレックスの価格は、まさに水もの。
ですので、売りたい人はもちろん、単に価値が知りたいという方も、まずは信頼できる買取店で査定をしてもらいましょう。