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2018.12.03 コラム

高騰し続けるアンティークロレックス~GMTマスター編~

業界でもはや当たり前となっている、アンティークロレックスの高騰。

これは「ロレックスバブル」とも呼ばれ、とどまることを知らず、専門家でも予想がつかない査定になることも多々あります。

そんな中、ロレックスのロングセラー従来の「GMTマスター」が、ロレックスのパンフレットから消えるというニュースが飛び込んできました!

パンフレットからなくなることが、今後の製造中止を意味するかはわかりませんし、公式発表もありません。
しかし、業界では「あまり注目されてこなかった古いGMTも、急激に値段が上がるのではないか?」と噂されています。

そこで今回は、話題沸騰中のGMTマスターについてご紹介します。

ちなみに、アンティークロレックスの定義については、コチラ↓をご覧ください。
高騰し続けるアンティークロレックス ~デイトナ編~

1.パン・アメリカン航空からの依頼で
誕生したGMTマスター

引用元:Wikipedia

GMTマスターはもともと、パン・アメリカン航空から製造を依頼されたパイロットウォッチで、1957年に完成しました。

ユーザーはもちろんパイロット。
職業の特性ゆえ、「世界3ヶ所の時間を、ひと目で確認できる」というのが先方の依頼でした。

この依頼に応えるべく開発され、GMTマスター最大のポイントとなっているのが「双方向回転ベゼル」。

例えばロレックスのサブマリーナやシードゥエラーのようなダイバーズウォッチでは、ベゼルに逆回転を防止する機能がついていますが、GMTでは双方向にベゼルを回せ、この機能と「GMT針」と言われる針により、3ヶ所の時刻を読み取ることができるのです。

ちなみに初期モデルの型番は「6542」。

6542はパン航空向けに作られたので、あまり出回っておらず、製造期間も1957~1960年と、非常に限られた期間でした。

だからといって、買取市場で高騰することはこれまでなかったのですが、前述の理由で、業界からは注目が集まっています。

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2.安定のロングセラー、
Ref.1675の魅力とは?

ロレックスGMTのロングセラー、1675引用元:http://www.909.co.jp/

さて、6542を経て製造が始まったのが「1675」。

1960~1980年までの20年間、しかもムーブメントを変えることなく作り続けられた、ロレックスでは珍しいロングセラーです。

ロレックスというブランドは、機構をプラスしたりレベルアップさせるため、ムーブメントを進化させます。
その進化を経るごとに、アンティークロレックスは「第○世代」と区分けされ、世代によって査定が変わっていく傾向にあります。

しかしGMTは、「3ヶ所の時間が確認できる」が最大のポイントなので、そもそもムーブメントを変える必要がなく、「第○世代」といった区分けはありません。

とはいえ、5期に分かれた製造期間の中で、仕様だけは変更していきました。
この仕様はかなり細分化されているので、ひとつずつご説明します。

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3.マニアには常識!「フジツボ」
「カメレオンアイ」「ヒラメケース」

以前「高騰し続けるアンティークロレックス ~デイトナ編~」でもお伝えしましたが、ロレックスマニアは、デザインや経年による焼けなどに、独特の通称を付けることがあります。
それは、査定にも影響します。

今回のGMTで知っておきたい通称といえば、まず「カメレオンアイ」と「フジツボ」。

こちらは呼び方は違いますが、実は同じことをさしています。
対象となるのは、16750の金無垢ベゼル、コンビモデル。
以下の写真をご覧ください。

ロレックスGMTのカメレオンアイとフジツボ引用元:ウォッチペディア

 このモデルでは、インデックスに「「トリチウム」という夜光塗料が塗ってあるのですが、暗闇で光るそれを「カメレオンアイ」と呼び、通常の光の下では、海に棲む「フジツボ」に見えることから、このような名前がつけられています。

もうひとつ知っておきたいのが「ヒラメケース」

ロレックスには、リューズが容易に動かないよう「リューズガード」を付けているラインがあるのですが、その中でも、平たいリューズガードになっているものを「ヒラメケース」と呼びます。

引用元:https://watch-kaitori.com/

横から見るとヒラメに見えますよね。

このように、ムーブメントが変化しない分、仕様によって差が付くのが、GMTマスターの特色にもなっています。

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3.GMTの新しい注目株
Ref.126710 BLRO

引用元:https://www.thewatchcompany.co.jp/

さて、世界最大の宝飾と時計の見本市「バーゼル」の2018で、復刻版が出たことで注目を集めているのが「126710 BLRO」。

GMTマスターの復刻版で、その配色から「ペプシモデル」とも呼ばれています。

大きな特色は「ジュビリーブレス」です。

ジュビリーブレスとは、装飾性の高いブレスのこと。
GMTのようなスポーツタイプで、わざわざ装飾性の高いジュビリーブレスを使うアンバランスさが、マニアから受けています。

ペプシカラーと呼ばれる配色、初期モデルを踏襲したケースサイズ(時計の横の直径)、そしてジュビリーブレスは、126710の三大ポイントとなっており、じわじわとファンを集めているようです。

従来のGMTがロレックスのパンフレットから消え、それがGMTの製造中止を意味するのかはまだわかりませんが、126710は最近発表されたモデルとあり、GMTファンにとっては、その名を新世代に伝える、唯一のモデルになっていくかもしれません。

このように、時代に合わせて進化を遂げたり、中にはGMTのようなロングセラーを持つロレックスですが、デザインやケースサイズはそのまま踏襲し、ムーブメントだけは進化させていくスタイルが、多くのファンを惹きつける理由になっているのでしょう。

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4.新たな人気者になるか?
GMTの 気になる査定価格は?

さて、最後になりましたが、気になる査定価格を表にしてみました。
一般ユーザーから見ると「そんなことが?」ということが、査定に大きく影響するのも、ロレックスの特徴です。

ロレックスの査定価格はかなり変動するので、1つの参考としてご覧ください。

Ref.6542 
~GMTマスター ファーストモデル~
年式
製造時期
シリ
アル
型番 特徴 ムーブ
メント
買取相場
1957-1960 6542 リューズガード無し(※1)
トロピカルダイヤル(※2)
ミニGMT針(※3)
プラスチック
ベゼル
1030
1066
200-
450万円
アルミ
ベゼル
50-
250万円

★特長の意味
※1「リューズガード無し」…リューズを動きにくくする「リューズガード」がないもの
※2「トロピカルダイヤル」…経年による焼けで変色したダイヤルのこと
※3「ミニGMT針」…GMT針の先端部の三角マーカーが、ほかのモデルより小さいこと

Ref.1675
年式
製造時期
シリ
アル
型番 特徴 ムーブ
メント
買取相場
1960-63 -12 1675 ミニッツサークル
ミラーダイヤル
1570 250万
1963-65 12-16 ミラーダイアル 1570 180万
1966-70 15-28 MK1・ロングE(※1) 1570 120万
1970-74 27-41 MK2 1570 100万
1974-80 39-68 MK3以降 1570 90万

★特徴の意味
※1「ロングE」…文字盤のROLEXのロゴの「E」の横棒がやや長い

GMTマスターは、デイトナやサブマリーナ、シードゥエラーに比べ、ムーブメントが変わっていない分、細かく分類されていませんが、仕様により査定が異なってきます。

また、GMTが再注目されているという理由だけでなく、アンティークロレックスの査定価格は日々変わります。

ですので、もしアンティークロレックスを持っている場合は、有名・老舗の買い取り店や、アンティークロレックスを専門に扱っているショップで、まず査定をしてもらってください。
相見積もりを取ることもオススメです。

こうした店は、アンティークロレックスの価値を知っている上、日々情報をアップデートしているため、より正確な査定と、適正価格での取引をしてくれるでしょう。

店はネットでの検索や口コミが参考になります。
自身の大切なロレックスの価値がわかる店を、ぜひ選んでください。

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5.まとめ

冒頭で述べたように、パンフレットからその名前が消えた、GMTマスター。
名前がない=製造中止、と直結するかは未だ謎ですが、このニュースが入った夏頃から「希少価値が高くなるのでは?」と予測され、実際じわじわと価格が上がっています。

また、ロレックスの中でもムーブメントを変えないロングセラーという珍しさから、改めてその安定感に注目するファンも出てくるかもしれません。

過去のコラムでも、アンティークロレックスの高騰ぶりをお伝えしてきましたが、中には何千万の価格が付いたり、人気が急に出てくるものもあるでしょう。
しかしそれは、業者やマニアでも完全に予測が付くものではありません。

アンティークロレックスの価格は、まさに水もの。
ですので、売りたい人はもちろん、単に価値が知りたいという方も、まずは信頼できる買取店で査定をしてもらいましょう。