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ブランド買取店のエコリングが、ついにフランチャイズ化へ!
ブランド買取店として全国約80店舗を展開する「エコリング」(本社/兵庫県姫路市、代表/桑田一成氏)。
このエコリングが、創業以来初めてFC(フランチャイズ化)することを発表、業界を中心に反響を呼んでいます。
そこで「今話題の『ネットオークション代行サービス』は本当にお得なの?」など、業界の最新情報ならなんでもオマカセの老舗質店を訪れ、エコリングがFC化を決めた背景や業界での評判、そして私たちへの影響を伺ってきました。
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1.業界では「ついに!」というより
「とうとう…」というニュアンス
売りたい時ドットコム(以下C)「今回、このお話を伺うにあたって、私もエコリングさんのサイトを調べてみたんですが、なんだかすごい良さそうですよね?」
老舗質店店主(以下店)「一般の方にはそう見えるかもしれませんが、僕たち業界の中では『ああ、とうとうエコリングが…』という雰囲気ですね」
C「もしかして、ちょっと残念なお知らせみたいな感じなんでしょうか…?」
店「まあ、どちらかといえば…」
C「えっ? ニュースやサイトには、店舗展開を加速化するためとありますし、直営とFC加盟店を合わせて、今の3倍くらいの210店舗を目指すそうで、上昇気流に乗っている印象を受けますよ」
店「確かに、雰囲気は意気揚々としていますよね…」
C「FCの条件についても、直営店舗をそのまま引き継ぎできるから、土地も物件も探さなくていいし、改装費もなし。
サポート体制もしっかりしてるようなので、やってみようかなと思う人が多そうですけど…」
店「では問題です! 今回の契約金がいくらかご存知ですか?」
C「FCって、コンビニだとだいたい300万円くらいでできますから、買取店も同じなんじゃないですか?」
店「実は、2,000万円~3,000万円を想定しているんですよ」
C「さ、さんぜんまん! 急にハードルが上がりましたね…」
店「ここに、私たち業界は注目しているんです」
C「私たちが気づかない残念ポイントが…」
店「はい。業界ではズバリ、エコリングの経営を懸念しています」
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2.エコリングのFC化の狙いとは?
店「簡単に言うと、FC化するということは資金がない。我々はそう見ています」
C「……」
店「FC化をして、店舗を増やすというと聞こえはいいですが、要は既存店を売るということですからね」
C「サイトやニュースで見る限り、直営だけで店舗を増やすのは限界があるので、FC化することで加速させるようですが…」
店「確かにそうですよね。
既存店を加盟店に引き継いでFC化すれば、契約金が入るので予算を組むことができます。
しかし、金額が高すぎます。 ここに『もしかして経営難なのでは?』という不安が残るんです」
C「2,000万や3,000万という金額は、コンビニみたいに『土地が空いてるから』『定年したから』というノリでは起業できないですもんね」
店「一般的に買取店のFC契約は、頭金が300万円くらい、月々20万円が必要になりますが、エコリングの相場は10倍。
これは、お金を持っている個人というより、企業を狙っているんです」
C「なるほど」
店「買取店の経営って、ものすごく大変なんです。
そもそもの知識が必要なのに加えて、情報のアップデートもやらなくてはならない。
フォロー体制はどこもしっかりしていますが、熟練の鑑定士にはとうてい太刀打ちできません」
C「高価なブランド品や貴金属の査定は、ユーザーとしてもちゃんとした鑑定士にして欲しいですもんね」
店「ですから、すぐ潰さないためには、資金力も含めて体力が必要なんです。
体力がなくて潰れたFC加盟店を僕は山ほど見てきて、大変さをいつも痛感するんですよ」
C「体力を加味すると、300万円程度でのFC化は危険」
店「はい。買取店のオープンは体力を考えると、最低でも1000万円は要ります。
うちのような質屋なら、商品を揃えることを考えると、初期投資で2億くらいはかかりますね」
C「2億!」
店「ですから、エコリングの3,000万円というのは、高いけれど妥当な数字なんですよ」
C「あくまでも個人対象ではなく、企業さんを対象にしているからできると、目論んでいるわけですね」
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3.店舗増加とは別の、
FC化の大きな目的とは?
店「エコリングのこのFC化には、もうひとつの理由があります。
エコリングは2018年7月に、BtoB向けのオークション『エコオク』をスタートさせました。
そこに出品するためのアイテムを集める、それがもうひとつの理由です」
C「オークションって商品があって初めて成り立つから、ものがあってなんぼでしょうし、ユーザーにとっても商品はあればあるだけ、選択肢も増えますもんね」
店「はい。
エコリングの規模を大きくするには、エコオクの規模を大きくしなければならない。
そのためには売り上げ金額が要るので、出品を増やすことで全体を盛り上げる。
そんないい循環を考えているわけなんですね」
C「確か、自社オークションはメリットも多いと聞いたことがありますが…」
店「そうです! 自社のオークションでは手数料が不要なうえ、外部からの手数料が見込めます。
また、規模が大きくなればなるほど、そのオークション内での相場が構築されるので、メリットがたくさんあるんですよ」
C「残念なお知らせとのことですが、結構いい感じじゃないですか?」
店「いえ、そこが問題なんです。
FC化で規模が拡大したとしても、鑑定力は当然下がります。
資金やフォローがあっても、少し前までは素人だったわけですから、ベテラン鑑定士には負ける。
結果、ブランドイメージが下がるということは避けられないと思います」
C「以前『コーチの買取に期待をしてはいけない、その理由とは?』でもおっしゃっていましたね」
店「ブランドイメージって、1回下がると信用を取り戻すためには、長い年月が必要になりますからね」
C「なんだか…言い方悪いけど身売りしてるような気になってきましたよ…」
店「FCで1店舗増やしたとしても、もし業績が上がらない店舗が潰れてしまったら、プラマイゼロ。
そんな危険性もあります」
C「では、具体的に私たちユーザーは、今のところエコリングにアイテムを売らないほうがいいんですか?」
店「いえ、それは違います。ユーザーさんがエコリングに買取をお願いするメリットもあります」
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4.エコリングのFC化について、
ユーザーが期待できることとは?
C「私たちが売る分には問題はない?」
店「これまでは『エコリングの買い取り金額は安い』というイメージもありましたが、今後FC化でいいアイテムを増やしていく中で、買い取り金額が上がる可能性もあります」
C「商品を集めたいから、無理してでも買ってくれる?」
店「そうですね。
あとは、フランチャイズって最初のサポートはあるんですが、その後の経営は店ごとにオマカセ。
だから逆に、大化けする店舗があるかもしれないということです」
C「個性を出せるから、人気店にもなりうる」
店「はい。エコリングは今回のFC化を企業相手に展開するので、資金があって、優秀な人材を自社から送り込んだり、ヘッドハンターする余裕のある大企業が入れば、ぐっと売り上がる店舗が出てくるかもしれません」
C「例えば…名古屋で言えばトヨタさんとかデンソーさんとか、全く畑違いですけど、ブラザーやカゴメ、パロマさんとかたくさんありますもんね」
店「こういった企業が名乗りを挙げれば、突出したFC店が出てきて直営店も刺激を受け、エコリング自体のレベルは上がっていくかもしれません。
あとね、エコリングの代表の桑田さんってすごい方なんですよ。
もともとの育ちも良い方で、医大を卒業して当時の郵政省で活躍してたんです。
そんな畑違いの方が、一代でここまで会社を大きくし、メディアを上手く使って認知度を上げてきたんですから、やはり経営者としては一流。
当然、次の手やその次の手も考えていると思います」
C「新しいエコリングが生まれるかもしれないと」
店「ええ。
とはいえ、僕もこの業界で、FC展開をして結局悪化した会社をたくさん知っていますし、買取業界に限らず、ブランドイメージが低下したことで、ユーザーから飽きられた企業・ブランドを見てきました。
ですので、そのあたりの不安は残るんですけどね」
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4.まとめ
C「まとめると、FC化の理由は「店舗拡大」「エコオクの出品数を増加するため」ではあるものの、業界的には経営に問題があると心配されていること。
ただ、今回のFC化については、ユーザーにも利点があるということですね」
店「はい。
また、エコリングのFC化に関しては『自社で買った商品はエコオクに出品する』『毎月決まった金額を支払う』という条件さえ満たせば経営は自由なんで、大化けする店舗が出てくるかもしれません」
C「私たちユーザーは、すぐ売ったほうがいいんでしょうか?」
店「そうですね…。今までの『エコリングは査定が安い』というイメージがなくなるまでは、様子見のほうがいいかもしれません」
C「はいわかりました。
そして、残る不安要素は、ブランドイメージの低下」
店「ええ。そういう展開を山ほど見て来ましたからね(苦笑)。
ただ可能性を見いだせる点もたくさんあります。
具体的には来年の年始から動き始めると思いますので、今後の動向に注目していきたいですね」